頤和園(いわえん)は、中国・北京にある清朝時代に造られた巨大な皇室庭園で、中国古典庭園の最高峰と称されています。
元々この地は金代(12世紀)から避暑地として使われていましたが、現存する形に整備されたのは18世紀末の清朝・乾隆帝時代です。
頤和園は避暑地としての役割を果たしながら、清朝の皇帝たちが政治を行う場でもありました。頤和園は200万平方メートルを超える敷地を持ち、その3分の2は昆明湖という人工湖です。
日本では紫禁城や万里の長城ほど有名ではないものの、頤和園は北京の観光地の中でも非常に人気のある場所で、特に歴史や文化に興味のある方にとっては見逃せないスポットです。また、その広大な自然や静寂な雰囲気は、都市の喧騒から離れて心を落ち着けるのにも最適です。
アクセス方法
頤和園は北京市内から比較的アクセスのしやすい場所にあるので地下鉄やタクシーで便利に移動することができます。
地下鉄でアクセス
北京地下鉄4号線を利用し、「北宮門駅(Běigōngmén)」または「西苑駅(Xiyuán)」で下車すると、頤和園の主要な入口である北門や東門に歩いてアクセスできます。地下鉄を利用する際は、北京市内で使える交通ICカード「北京一卡通」を事前に用意しておくと便利です。
地下鉄は日本と似たシステムなので、日本のICカードのように簡単に利用できます。
北京の地下鉄の詳しい乗り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
タクシーや配車アプリでのアクセス
北京市内に限らず、中国ではタクシー移動や配車アプリの利用が主流になっています。
日本のタクシーと比べると値段も比較的リーズナブルでとても便利です。
タクシーや配車アプリを使えば、市内中心部から約30分で頤和園に到着します。配車アプリ「滴滴出行(Didi)」は、日本語対応のバージョンもあり、便利に使えます。運転手に「頤和園」と中国語で伝えるのが少し心配な場合、アプリ上で事前に行き先を指定しておくとスムーズです。
配車アプリの使い方やタクシーの呼び方についてはこちらから!
頤和園観光のおすすめ時間帯
頤和園は多くの観光客で賑わうため、できるだけ朝早くか夕方に訪れるのがおすすめです。特に午前8時前に訪れると、まだ人が少なく静かな園内を楽しめます。夕方は観光客が減り始め、昆明湖に映る夕焼けを楽しむことができます。
頤和園の見どころとおすすめスポット
頤和園の広大な敷地には、多くの歴史的建築物や美しい景色があります。ここでは特に日本人観光客に人気のスポットを詳しく紹介します。
長廊(ちょうろう)

長廊は頤和園を代表する建造物で、その全長は約728メートルに及びます。世界最長の木造回廊として、各柱には中国の歴史的エピソードや神話、風景が描かれたカラフルな天井画があり、歴史や文化を感じさせます。
この長廊は、頤和園内を移動する際に雨や日差しを避けながら歩けるように設計されており、天井画を眺めながら歩くとまるでタイムスリップしたかのような気分に浸れます。日本人観光客には、この天井画を背景にした写真が特に人気です。
仏香閣(ぶっこうかく)
頤和園内でひときわ目立つのが、八角形の仏香閣です。昆明湖を見下ろす高台に位置しており、上まで登ると頤和園全体や遠くの北京の街並みを一望することができます。
仏香閣は、皇帝が仏教に関連する儀式を行った場所としても知られており、その荘厳な雰囲気を感じながらのんびりと観光できます。
階段を上るのが少し大変ですが、その分眺めは素晴らしく、特に朝や夕方の時間帯は絶景が広がります。
昆明湖

頤和園の約3分の2を占める広大な人工湖で、湖の上に浮かぶボートからは頤和園の美しい景色を楽しむことができます。湖では手漕ぎボートや電動ボートをレンタルすることができ、湖の中心にある南湖島まで渡って、さらなる散策を楽しむことも可能です。
春や夏の晴れた日には、湖面に青空や雲が映り込み、絵画のような風景が広がります。ボート体験は、特にカップルや家族連れに人気で、自然の中でリラックスしながら観光を楽しめます。
頤和園観光のおすすめルート
頤和園の敷地は広大なため、隅々まで観光しようとすると一日ではとても足りません。
ここでは、定番の頤和園観光コースとたっぷり頤和園を満喫したい人向けのおすすめルートをご紹介します。
頤和園の主な入り口
頤和園にはいくつかの入口がありますが、特に観光客に便利なのは以下の3つです。
- 北宮門(Běigōngmén)
地下鉄4号線の「北宮門駅」からアクセスできる北側の入口です。頤和園の中でも人気のある観光ルートに近く、長廊や仏香閣へ向かう場合はこの入口から入るのがおすすめです。ここから入ると、頤和園の主要な見どころに比較的短時間でアクセスできます。 - 東宮門(Dōnggōngmén)
頤和園の東側にある入口で、地下鉄「西苑駅」から徒歩10分ほど。頤和園の管理施設やチケット売り場に近いことから、公式ツアーや観光バスを利用する場合に便利な入口です。頤和園内を広く巡りたい場合は、この東宮門から入ることをおすすめします。 - 新建宮門(Xīnjiàngōngmén)
頤和園の南東に位置する入口で、少し人が少ないエリアにあります。昆明湖の南側を歩きたい場合や、混雑を避けたい場合に使えます。
おすすめルート:北宮門スタートの定番コース
このルートでは、北宮門から入り、主要な見どころを効率よく回ることができます。
所要時間:2~3時間(観光と休憩を含む)
北宮門から入場
地下鉄「北宮門駅」から徒歩で北宮門に到着し、ここから頤和園に入場します。まず最初に目にするのが頤和園の美しい庭園エリアです。入り口付近には清朝時代の建物が点在し、皇帝が避暑に使っていた趣ある庭を眺めながら進みます。
長廊(ちょうろう)を散策
北宮門から約10分ほど歩くと、世界最長の木造回廊である「長廊」に到着します。全長728メートルの長廊は、頤和園の見どころのひとつで、天井には色鮮やかな絵画が描かれています。この回廊を歩きながら、絵画や頤和園内の自然風景を楽しむことができます。雨の日でもこの回廊を歩けば快適に観光ができるため、天気に関わらず訪れるのに適しています。
仏香閣(ぶっこうかく)へ
長廊を通り抜けると、頤和園のシンボルともいえる仏香閣が見えてきます。この八角形の建物は昆明湖を見下ろす高台に位置しており、ここからの眺めは圧巻です。仏香閣までの階段は少し急ですが、登る価値があります。上からは頤和園全体や遠くに広がる北京の市街地を一望することができます。
排雲殿(はいうんでん)と徳和園(とくわえん)
仏香閣の周辺には、排雲殿や徳和園など、清朝時代の皇室に関連する建物が多く並んでいます。排雲殿は皇室の重要な儀式が行われた場所で、徳和園は帝室の劇場として使われました。頤和園の歴史に触れたい方は、これらの建物もじっくり見学する価値があります。
昆明湖周辺を散策しながら南湖島へ
仏香閣を後にして、昆明湖沿いに南へ進むと、湖の中心にある南湖島が見えてきます。湖を一周する形で歩くか、ボートに乗って湖上から周囲の景色を楽しむこともできます。特に天気の良い日は、湖面に映る仏香閣や美しい風景が広がり、写真撮影にも最適です。湖畔にはベンチが点在しており、ゆっくりと休憩を取りながら観光することができます。
十七孔橋(じゅうななこうきょう)と南湖島
昆明湖をさらに進むと、有名な「十七孔橋」に到着します。この橋は17のアーチ状の孔(穴)で構成されており、その美しいデザインは中国建築の技術を感じさせます。十七孔橋を渡ると南湖島に到着し、ここから頤和園全体を眺めることができます。
出口へ
南湖島での観光を終えたら、新建宮門や東宮門を目指して帰路につきます。観光を終えた後、時間に余裕がある場合は、東宮門近くにあるカフェやお土産屋で休憩するのも良いでしょう。
おすすめルート:東宮門スタートの観光満喫コース
このルートは頤和園をじっくり観光したい方におすすめです。
所要時間:3~4時間(ボート体験や写真撮影を含む)
東宮門から入場
東宮門は頤和園の公式入口であり、多くのツアーや観光バスがこの入口からアクセスします。チケットを購入し、頤和園の正面から観光をスタートしましょう。
仁寿殿(じんじゅでん)
東宮門から少し進むと、皇帝の執務室である「仁寿殿」に到着します。この建物は、清朝時代の皇帝が政務を行っていた場所で、内部には歴史的な遺物が展示されています。頤和園の歴史や、当時の政治の舞台を知ることができるスポットです
東堤(とうてい)を散策
仁寿殿を過ぎると、昆明湖の東側に沿って歩く「東堤」の遊歩道に出ます。この道は、湖と頤和園の庭園の間を通っており、静かで風光明媚な散策コースです。湖畔の道を歩きながら、ボートに乗る観光客や湖越しに見る仏香閣の美しい景色を楽しむことができます。
ボートで昆明湖を横断
東堤を歩いた後は、昆明湖のボート乗り場からボートをレンタルして、湖上から頤和園を眺めるのも素敵な体験です。手漕ぎボートや電動ボートがあり、湖を横断して南湖島に行くことができます。湖から眺める仏香閣や長廊の景色は格別です。
西堤(せいてい)を散策しながら西側出口へ
昆明湖を渡った後は、西堤の遊歩道を歩いて西側の出口に向かいます。西堤は、湖沿いの美しい景観を楽しみながら、少し静かなエリアでのんびりと散策するのに最適な場所です。時間をかけて歩けば、頤和園の隠れた美しさにも触れることができます。
頤和園の季節ごとの楽しみ方
頤和園は四季を通じて異なる表情を見せ、それぞれの季節ごとに独特の魅力があります。
春(3月~5月):
春は桜や桃の花が咲き、庭園全体がピンク色に染まります。花見ができるスポットもいくつかあり、特に昆明湖周辺では満開の花々と湖の美しいコントラストを楽しめます。春は気候も穏やかで、散策には最適な時期です。
特に日本人観光客にとっては、桜の花を楽しみながら頤和園を歩くことができ、どこか親しみやすさを感じられるでしょう。
夏(6月~8月):
頤和園は元々避暑地として造られたため、夏でも比較的涼しい場所が多く、特に昆明湖周辺では心地よい風が吹き抜けます。昆明湖周辺は一面睡蓮で埋め尽くされ美しい光景が広がります。
ボートに乗って湖上から眺める仏香閣や長廊の風景は、夏の頤和園ならではの楽しみ方です。木陰でゆったりと休むこともでき、暑い北京の夏でも快適に過ごせます。
秋(9月~11月):
秋は頤和園が最も美しい季節の一つです。特に紅葉が見事で、仏香閣や長廊の周辺では赤や黄色に染まる木々が風景を彩ります。昆明湖周辺の遊歩道を散策しながら、色づいた木々と湖の景色を楽しむのが秋の頤和園の魅力です。日本の紅葉とはまた違った、落ち着いた雰囲気の中で散策できます。
冬(12月~2月):
冬になると昆明湖が凍り、氷上でスケートを楽しむことができます。頤和園全体が雪に覆われ、静寂に包まれた風景はまさに幻想的です。訪れる観光客も少なくなるため、静かに観光を楽しみたい方には冬の頤和園がおすすめです。特に雪景色と仏香閣のコントラストは、写真映えする美しい光景です。
頤和園観光の注意点とコツ
頤和園は非常に広いため、事前にいくつかのポイントを押さえておくと、より快適に観光を楽しめます。
服装:頤和園は起伏がある場所も多く、かなり歩くことになるので、歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズを履いて行くことをおすすめします。特に仏香閣へは階段を登る必要があるため、足元に気をつけてください。
持ち物:日差しが強い季節には、帽子や日焼け止めを持参すると便利です。また、頤和園内は自動販売機や売店が少ないため、水筒を持ち歩くか事前にペットボトルの水を購入しておくと良いでしょう。
トイレや休憩場所:頤和園内のトイレは主に主要な観光スポット付近にありますが、混雑することが多いです。特に観光客の多い時間帯には、トイレに行くタイミングを考えておくと良いでしょう。
また、頤和園内には休憩できるベンチやカフェが点在しているので、歩き疲れたら少し休憩を取ることも大切です。
頤和園周辺のおすすめ観光スポット
頤和園を訪れた後、近隣で立ち寄れる観光スポットや美味しい食事を楽しめる場所もいくつかあります。
清華大学
頤和園からほど近い場所にある中国の名門大学で、その美しいキャンパスと歴史的建築物が人気の観光地です。大学内を散策しながら、学問の街の雰囲気を感じてみてください。
その隣には北京大学もあるので頤和園に観光ついでにキャンパス巡りをしてみるのもいいかもしれません。
北京動物園
パンダが見られることで有名な動物園です。特に家族連れにはおすすめで、パンダ館は多くの観光客に人気があります。頤和園で自然を楽しんだ後、動物園で中国の国宝・パンダを見るのも良いプランです。
グルメ情報
頤和園周辺には、地元の特色あるレストランが点在しています。特に「北京ダック」の専門店は必見で、頤和園で観光を楽しんだ後の食事に最適です。また、頤和園の西側には中国伝統の「火鍋」や「拉麺」などを提供するローカルな飲食店もあります。食事を楽しみながら、中国の本場の味を堪能しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は中国北京の定番観光スポットである頤和園へのアクセスやおすすめスポットとおすすめの周り方をご紹介しました。
頤和園は、広大な自然と歴史的な建造物が融合した美しい庭園で、日本人観光客にとっても特別な観光体験ができる場所です。この記事で紹介したアクセス方法や見どころを参考に、是非充実した観光を楽しんでください!


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